実はこの斑入葉のように見えるヒヨドリバナは、ヒヨドリバナの変種などではなく、「ジェミニウイルス感染」という病気のヒヨドリバナ。このウイルスに感染したヒヨドリバナは弱ってしまうため、感染を広げないためにもできれば引き抜いたほうが良さそうです。
ヒヨドリバナは、無性生殖を行う集団と有性生殖集団があるが、そのこととジェミニウイルスによる感染症にかかる頻度に違いがあることから「有性生殖が病原体に対抗する機能を持つ」という仮説を支持するように見える。・・という研究がある。このことから絶滅に瀕した植物を救う場合にも多様な遺伝子を残す方法が望ましいと思える。
ヒヨドリバナの多くは無性生殖を行う倍数体であり、この種の植物は、有性生殖系統よりも種子生産力が高いため、一見有利に見える。しかしジェミニウイルスによる感染症にかかる頻度は無性生殖集団では高いが、西日本の山地にみられる2倍体の有性生殖集団では感染率が低い。ヒヨドリバナのこの事実は優有性生殖が病原体に対抗する機能を持つという仮説を支持するように見える。
共進化の生態学/矢原徹一 http://www.bun-ichi.co.jp/PDF/1069-6/10.pdf